平松弘道選手より
2013年アイアンマン ニュージーランドのレースレポートが届きました。

<IRONMAN NEW ZEALAND 2013>
大会名:IRONMAN NEW ZEALAND 2013
開催地:Lake Taupo, New Zealand
日時:2013年3月2日(土)
天候:晴れ
レース距離:Swim 3.8km 1周回
Bike 180km 2周回
Run 42.2km 3周回
使用機材:MayStorm (フルウエットスーツ・2P)
KESTRREL4000LTD Di2(バイクフレームセット+電動コンポ)
PROFILE DESIGHN PROSVET(ハンドル)
PROFILE DESIGHN T2COBRA(DHバー)
PROFILE DESIGHN カーボンボトルゲージ
Panaracer RACE typeA(タイヤ)
SUUNTO t6c(スポーツウォッチ・心拍計)
LAS CRONOMETORO(TTヘルメット)
MAYSTORM Original (サンバイザー)
SMITH PIVLOCK90(サングラス)
Asics ターサージャパン(ランニングシューズ)
大会結果:優勝 Bevan Dochrty NZL 8:15:35
2位 Marko Albert EST 8:25:30
3位 Cameron Brown NZL 8:34:28
14位 Kodo Hiramatsu JPN 9:39:11
<大会目標>
昨年12月に西オーストラリアにて3年ぶりのアイアンマンディスタンスに出場、課題を多く残すレースだった。それから4ヶ月間という短い期間しかなかったが、連戦をこなしながら強くなるために、課題を絞ってトレーニングしてきた。過去4戦経験しているアイアンマンディスタンスにていずれもバイクパートにて嘔吐や脱水、またはメカトラブルなどで降車しており、180kmを通しで走りきっていない。この4ヶ月間は、180kmを体調トラブルなく走りきることを課題として対策を練ってきた。まずは、ポジションの見直し、DHポジションの肘の間隔を広くとり、呼吸を楽にできるように。またハンドルを少し上げて上肢により腹部の圧迫を少なくした。そして一番、鍵となっているのがペースメイクだと考え、レースの流れにはあえて乗らずに、自分のペースで180kmを平均的に走りきる練習を行った。具体的にはSUUNTOを利用した心拍数でのペースメイク。房総や那覇を中心に、ノンストップで、なるべく本番と同じ条件を作り出してペースを探った。練習結果から、180kmを安全に走りきれる心拍数は155拍と判断し、これについてタイムは追わないことをルールとして自分に課した。練習不足のランには不安があったが、スイムは52分、バイク5時間00分〜10分、ラン3時間10分〜20分、トランジットを5分とし、総合で9時間07分〜27分の間で体調トラブルなくフィニッシュすること。予定通りに走れば10位以内も見えると考えていたが、順位を考えずに予定通りに競技を遂行することを第一目標にした。長いシーズンのはじまり、特に調整をかける訳でもなく、大きなトレーニングプランの最初のボリュームゾーンでのレース、潰れずに課題を検証することを優先に臨んだ。
<Swim 3.8km 51:56>
直前の合同那覇合宿での疲労を引きずったまま、タウポ入り。二日前までは疲労感にアイアンマンディスタンスを走る自信が持てずにいたが、前日にようやく体調が上がって当日は、長い一日を迎える覚悟ができた。とはいえ、ウォーミングアップ前から朝食を嘔吐するなど、調子は万全でないことが客観的にもみてとれた。朝食の嘔吐は、不安による食べ過ぎと緊張によるものだろう。目標の心拍数を155拍としていたが、更に下方修正も必要と言い聞かせてスタート。
スイムは波のないタウポ湖を1周回。しっかりと余裕のあるパックにつけて泳ぐ。中盤から縦長になって最後尾になってしまい、また最後の数分で少し間をあけてしまったが、余裕をもってスイムアップした。長いトランジットでパックに追いつきバイクスタート。
<BIKE 180km 5:20:59>
湖をスタートして丘を一度越え、大きく下ったのちは45kmを折り返して再び丘に戻るまでは平坦基調の2周回。最初の丘を越えるまでは、同じスイムパックの選手が見える範囲にいたが、下り・平坦に入ってからは全くの一人旅。心拍を155拍に抑えると全くスピード感が違う。違うレースをしているかのようだ。1時間ほどで同じ日本人プロの益田選手ら後ろのスイムパックの選手にも抜かれる。焦りはなく、淡々と自分のペースを信じて進む。それでも、平坦区間では平均速度がどんどん上がり、丘の手前で平均36.7km、予想より速かったので精神的にも安心を得られた。丘を上りきって2周回目に入るところで35.7kmに時速が落ちたが、時計は2時間30分と予定通り。2周目も一人旅が続く。西オーストラリアでは、100km以降に女子プロにも抜かされていったが、今回はそんなこともない。例年のリザルトは、男子プロで4時間45分〜5時間程度、女子は5時間05分〜20分、今年も同じようにレースが推移していると考えられた。2周目の復路では、風が出てきてスピードが落ちてきたので、心拍を160まで上げていく。ここで心拍が上がられたことに、ペースメイクの妙があると走りながら思った。とはいえ、ペースはどんどん落ち、心拍に対して出力が下がってきていた。155km(残り25km)で4時間28分、向かい風と丘の坂で大幅にペースダウンしてしまった。最後の25kmは上り基調とはいえ、平均28kmしか出ていない。宮古島は155kmなので、いかに残りの25kmが難しいかがわかる。それでも、体調にトラブルはなく、最後には1名先行していた男子プロにも追いつき、ある程度の充実感をもってバイクフィニッシュ。
<RUN 42km 3:20:23>
バイクばかりをフォーカスしてきたため、ランに入ったときのモチベーションが正直低かった。追いついた男子プロと並走する形でランスタート。ランの練習状況もよくなかったが、サブ3ペースの4分10秒で3kmほど走る。走っていて厳しいのが自分でもよくわかった。4kmでトイレ休憩。しっかり頭を整理し、42kmを走りきれるペースに下方修正。ただ淡々と進めた。下方修正自体が消極的ではあったけれども42kmを潰れないペース感覚が身に付いてきたなと感じた。
<反省>
課題を持って臨み、その課題に対しての答えを得ることができ、自信をつけることができた。結果的には9時間39分とタイムは悪かったが、タイム以上に内容に収穫があった。またベストコンディションでない中で、目標を修正しながらその時点でのベストを尽くすレースができたことに満足感がある。しっかり潰れずに走りきったおかげで、内蔵ダメージも少なく早くに練習を再開できそうだ。連戦をしながら強くなっていくということを学んだレースだった。コナプロランキングは480ポイントを獲得して159位から90位にジャンプアップできました。次の大会は宮古島大会です。国内で優勝して自信をつけたいと思います。
日本人参加者の中では、トップでのゴール。来月開催の全日本トライアスロン宮古島大会に向けて良い刺激となったレースだったようです。
アイアンマン世界戦へのポイントも獲得し、ランキング100以内にジャンプアップ。
宮古島大会が楽しみになってきました。
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